第3回『異文化コミュニケーション座談会』USメンバー/現役生
第3回『異文化コミュニケーション座談会』開催
~EFEL-USAメンバーwith ESS現役生!~
日時:2024年9月15日 野々山浩代(1981年卒) アメリカブロックリーダー
今年3月の現役生を交えた座談会を皮切りに、5月にはアメリカブロックの方のみと実施、続いて、24年9月15日にはESS現役生とアメリカ在住のEFEL会の皆さんの参加を得て、『異文化コミュニケーション』をテーマに座談会を開催しました。
この座談会には3名のESS部員(参加予定数は5名でしたが)に対し、9名のEFELメンバーが参加するという結果となったことは少し残念でしたが、EFELメンバーが本当に親身になってESS部員にアドバイスしてくださったことに心より感謝いたします。この度参加して下さったESS部員の皆さんからはこの座談会が有意義であったとの感想をいただきましたので、次回は他のメンバーを多数誘って参加してくださることに期待したいと思います。
↑オンライン参加の皆さん
今回の参加者12名(ESS部員:3名とEFEL会員9名)をご紹介します。*敬称省略
【ESS部員】
常深蓮太郎(4回生)、山下修也(3回生)、堀江咲良(1回生)
【EFEL会員(米国)】
フィッシャー[旧制:速水]敦子(1979年卒)、 細川幸治(1983年卒)、 柴田[旧制:青木]知子(1979年卒)、 国吉正幸(1992年卒)、 野崎泰弘(1995年卒)、 川原アーサー(2000年卒)、 野々山浩代(1981年卒)
【EFEL会員(日本)】
水野明洋(1978年卒)、丸谷一也(1985年卒)
それぞれの自己紹介の後、丸谷さんに異文化コミュニケーションのプレゼンをして頂き、続いて、ESS部員から事前に頂いた4つの質問にEFELの先輩が応答するという形で進行して行きました。
《プレゼン骨子》
↑◆アジェンダとしては、上記ブルー文字の部分を抜粋説明。
↑◆近年、会社経営や世の趨勢としても、ダイバーシティー認識・対応の必要性増。
↑◆成功のコツ:異なるところを理解、受入れ、相互理解の考えを組立てる。
↑◆目に言えない違いによる『無意識』に感じる偏見に気付いて、対策。
↑◆『言葉少なく察し合う文化』と『言葉・文字で表現しや理論を重視する文化。
↑◆アイスバーグとコンテクスト等を意識した、ビジネスコミュニケーション方法の違いを理解。
《主な質疑応答》
[1]「アメリカの生活を始めたばかりの頃の自分に、今のあなたからアドバイスするとしたら何を伝えるか?」
①自分の意見をはっきりと伝えることの重要性、沈黙は美徳ではない、相手の意見をじっくり聞いてから論理的に反論する、英語が完璧でなくても遠慮せず積極的に話す。
②自分の殻を破る。日本でやっていなかったことをやる。
[2]「飲食店やエレベーターでその靴いいね、最近どう?といった雑談があると聞いた。これは一種のマナーであると本で読んだ、本当にそうなのか」
これは個人の性格によるもので一概には言えない、相互関係のレベルにもよる。例えば、それを言ったから、言われたからと言って、次にあった際などその話題を持ち出し『あの時言ってくれたことだけど・・・』的に、態々意識して話題に入れる必要はない。
[3]「アメリカに行って、日本のアイデンティティについて考えるようになったと聞いた。これを知っておくと良いという日本の知識を教えて下さい」
①日本人の良いところ(以心伝心、謙虚さ、歴史、清潔な習慣)など、サブカルチャー領域も含めて日本とは?という観点での自分の意見を持っておいて説明できると良い。
②アメリカには『察する』と言う文化は無い。自分の意見をしっかり持って発言することが大事。
[4]「自己主張」と「わがまま」の違いや見極め方について
①違いは紙一重。状況によりどちらでも取れるものなので、その場の話の内容や状況、文化的背景なども充分考慮しながら考えるしかない。
②初めの異文化コミュニケーション概論で説明の様に、無意識の偏見やハイコンテクスト文化(空気を読む文化)、ローコンテクスト文化(言葉て伝えあう文化)と言う概念があり、日本国内やアメリカ国内だけでなく、他国の人であってもこの文化的背景の違い等が影響することを考えると、上述の対応方法になる。
[5]「チップ制度について教えて欲しい」
チップは国ごとに違い、サービスの対価として支払うもので、アメリカでは通常15%から20%が平均で、サービス次第でパンセンテージを決めることができます。ヨーロッパでは釣り銭を渡す程度で良い国もあります。アメリカでは買物の決済時にdonationを求められる場合がありますが、受領者が不確かなため無視する人が殆どです。
《参加されたESS現役生からの声》
〇常深蓮太郎さん(4回生)
海外のリアルを聞いて、さらに質問ができるという環境がとても恵まれているなと毎回を通して感じております。それだけでなく、多様な経験談や人生観による意見が刺激になりました。AIの時代においても、人間が主導する英語教育には価値があり、それは英語文化そのものを人の感覚で伝えられるから、や、日本にはおもんばかる発想があるから人の気持ちを察することに優れていて、主張が少ないなど、対比が山盛りでした。また、パンダエクスプレスという箱に入った中華料理の話が少しだけでてきましたが、個人的に洋画で見る憧れ描写第一位なので、おすすめメニューが聞きたかったです(笑)本日はありがとうございました。またよろしくお願いします。
〇山下修也さん(3回生)
本日は、座談会ということもあり、くだけた雰囲気であったので、話もしやすかったです。日本にいると、ネットの情報に偏りやすいので、実際に現地にお住まいの方々のお話しを聞くことができて、私の感じていた異文化についての違和感も和らぎ、大変、ためになりました。春休みと4年次の秋学期に留学を考えておりますので、また色々とお伺いできればと思っています。本日は、ありがとうございました。
〇堀江咲良さん(1回生)
今日は実際に英語圏に住んでいる方からチップ制度や多様性のお話を聞けてすごく良かったです。周りの空気を読んでしまっている自分がいて、今日のお話を聞く中で、もっと積極的に意見することも意識したいと思いました。また、自分自身は3回生からの留学を目指していて、とてもためになる情報を聞くいい機会になりました。ありがとうございました。
《最後に》EFEL会としてESS現役生の要望も確認し、今後もEFEL会員皆さまのご協力を頂きながら各種座談会を開催したいと考えています。