(OBOG近況) 安藤 寿仁 (1984 年卒) ~時代の変化に生きる~

ESS では「文学セクション」に所属しておりました安藤寿仁です。自身の経歴と歩みをご紹介したいと思います。
Time flies like an arrow. 早いもので、1980年4月に関西外大へ入学し、卒業してから 36 年が過ぎました。在学中の4回生夏から交換留学生としてニューヨーク州立大学 Brockport 校へ 1 年間留学する機会に恵まれ、翌年の夏に帰国しました。同級生はその春に既に卒業しており、卒業単位を満たした私は同級生より半年遅れの 1984 年 9 月に卒業証書を受取り卒業となりました。

ESS 時代(志賀高原での合宿)

1983 年夏 留学時の大学開始前ホームステイ(NY 州のホストファミリー宅)


1983 年冬 留学中(真冬の凍てつく大学キャンパス)
大学卒業後の進路としては、好きであった「英語」を使いたいと思い、輸出で海外事業比率が高かった「シャープ株式会社」へ入社しました。会社には ESSの先輩社員がいて、後には後輩社員も入社して来ました。会社では希望した海外事業本部への配属となり宣伝関係の業務で毎日英語を使う機会にも恵まれました。1980 年代の家電メーカーは各社ともに増収増益続きで社員を大量採用していた時代でした。

1988 年 8 月 シャープ社内(タイからのお客様との商談)
その後、U ターンで出身地である名古屋の「ブラザー工業株式会社」へ転職し、こちらでも 31 年に渡り海外事業関係の業務に携わり英語を活用することが出来き、この 8 月の誕生日に無事定年退職を迎えました。
私が、ESS に入ったきっかけは、外大に入学し英語を専攻するからには英語力は身に着けたいとの思いから ESS を選びました。新入生へのイベントであったレシテーションコンテスト、それに向けた先輩方からの牧野車塚古墳での腹式呼吸や発声・発音練習の猛特訓、日本語厳禁であったクラブ合宿、セクションでの活動等々のお陰で英語のベースを築くことが出来たと思っております。
新型肺炎のコロナ渦前までは身近で当たり前だった海外旅行ですが、私が初めて海外へ行ったのは、1983 年夏に交換留学生としてニューヨークへ行く時でした。当時は航空券代が非常に高く、IATA 非加盟の航空会社が比較的安かったこともあり、私は大阪(伊丹)→ソウル(金浦)→アンカレッジ経由→ニューヨーク(JFK)のルートで行きました。到着後のソウルでは夜に出発するニューヨーク便への乗り継ぎの待ち時間に半日のソウル市内観光が付いておりました。また当時はアジアからアメリカ東海岸までノンストップ直行便で行ける航空機材がまだ無い時代で、燃料補給のためにアンカレッジ空港にワンストップして、アメリカ東海岸や欧州各国へ乗り継いで行く時代でした。大学卒業後、社会人になってから観光目的でアメリカへ行きましたが、1985 年当時でもアメリカへの観光旅行ですら在日アメリカ領事館で観光 Visa を取得せねばならず、そのためには(旅行後日本へ帰国する事を示す)往復航空券の購入、就労している会社/組織からの在籍/在社証明書の入手、銀行での残高証明書の取得、訪問先からの Invitation Letter の入手等で必要書類も多く海外旅行も容易でありませんでした。現在では日本のパスポートは世界最強で、ビザなしで渡航できる国が 191 ヵ国にも及んでおり、海外旅行は簡単で身近な時代になっています。
平成元年に転職したブラザー工業も海外売上比率が高く、創業商品である家庭用ミシンの販売・企画に関する業務に長く携わりましたが、アメリカにある販売子会社へ出向し勤務する機会にも恵まれ、35 歳~45 歳にアメリカ ニュージャージー州にある販売会社に勤務しました。ニュージャージー州はニューヨーク州の隣にある州でニューヨーク市マンハッタンからハドソン川を越えて車で 1 時間程のところに住んでいました。1994 年~2005 年の 10 年間ちょっとで、その時には成田空港からニューヨーク JFK 空港までのノンストップ直行便も既に就航しており便利な時代でした。しかし、1990 年代初頭はアメリカでもパソコンが普及し始めたころであり、インターネットや e メールが徐々に始まりだし、90 年代後半でもスマートフォンやカーナビゲーションはまだ発売すらされていない時代で、今思えばこれら無くしてよくアメリカで生活していたものだと感心します。
2001 年 9 月 11 日のアメリカでの同時多発テロ発生時は、私はニュージャージーに駐在中であり、新婚旅行や駐在での滞米中に両親や親類が訪米した際、観光で登ったあのワールドトレードセンタービルが 2 つとも無くなってしまった事は、信じられません。

1997 年 アメリカ勤務時代(NJ 州の本社前)

還暦を迎え、振り返りますと沢山の様々な貴重な得がたい経験をさせて頂きましたが、これらは全て学生時代の ESS、卒業後も今までずっと英語に関われる業務につけて自己成長が出来たお陰と思っています。モノが溢れる現代では、生活や暮らしが便利で快適となり、英語学習でも教材には困りません。今の皆様は時代の流れで無くなってしまったので存在すら知らないと思いますが、私の学生時代はラジオ短波放送の FEN(Far East Network)が、雑音の中で英語とヒアリング力を養う貴重な英語学習の教材でした。現代は、ネットや情報社会で英語学習の教材は何不自由なく手に入れることが可能で情報を自分で取捨選択する時代です。「志」を持って関西外大に入学し、何らかのご縁があって ESS に入部した後輩である皆さんも「目標」を持って ESS で切磋琢磨して英語力を向上させて下さい。結果として今の努力が報われ「自己実現」ができる日が必ず来るはずです。
最後に、ESS 及び後輩諸君の益々のご発展と今後のご活躍を祈念いたしており
ます。
The best investment you can make, is an investment in
yourself…The more you learn, the more you’ll earn.
By Warren Buffett