【現役生へのエール】中務 拓哉(英米語学科2012年卒)

ESS現役生の皆様へ

 

興味のある業界研究を徹底的に!

 

 

中務 拓哉(英米語学科2012年卒)

ケイラインロジスティックス株式会社 勤務

 

 

英語を本格的に学びたかったため、関西外大に!
わたしの生まれは大阪府の堺市です。そこで5歳まで過ごしました。その後、父の仕事の関係で神戸市に引っ越ししました。さらに両親が一軒家を購入のため、小学校3年生のときに、同じ神戸市内に引っ越しました。そこから23歳まで神戸で過ごしました。

高校は育英高校というところに通っていました(当時は男子校でしたが、今はすっかり共学になって、雰囲気がガラリと変わっているようです)。勉学とスポーツに力を入れている高校で、スポーツ選手の有名人はかなりいます(気になる方はWikipediaを参照してください)。昔は勉強が嫌いで、高校1年生のときまで成績が芳しくなく、良い大学の指定校推薦枠の校内選考に通らないと思い、一般入試を視野に入れて、高校2年生から徐々に勉強し始めました。この学校には学年が上がるときに進学コースに進みたい・残留したい人が受けなければならない試験があり、その試験に無事合格し、高校3年生では普通コースから進学コースに移籍することができました。普通コースは毎日6時間授業ですが、この進学コースでは毎日7~8時間授業があり、土曜日は授業か大学職員の方が来校し、興味のある分野に分かれて話を聴き、日曜日は最低月1回のペースで模試がありました。

この受験勉強の延長で英語が好きになり、大学受験は英文科や英米語学科など英語関係の大学・学部を中心に受験しました。またお恥ずかしい話ですが、一般前期はすべての大学に落ちてしまいました。一般後期でどこを受けるか迷っていたとき、わたしの母が「行くか行かないは別として英語がやりたいなら、関西外大を受けてみたら?」というアドバイスがきっかけで関西外大を受験しました。わたしの母も英語が得意だったようで、関西外短も少しは考えたようですが、家庭の事情で短大には進学できなかったとのことでした。一般後期では無事、近畿大学と関西外大から合格通知をいただきました。どちらに進学するか入学金納入期限ギリギリまで高校の担任の先生や両親とも相談し、迷っていました。近畿大学も産近甲龍で有名な大学だったのですが、関関同立や産近甲龍といった大学ブランドにこだわりすぎていた自分に気が付き、大学のブランドにこだわることをやめ、そして英語を本格的に学びたかったため、英語に特化した大学、関西外大に入学することを決意しました(関西外大生には留学したいから入学したという方がかなりいましたが、わたしは入学するまで留学がしたいという気持ちはゼロでした。また受験勉強の延長で英語が好きになったというのもありますが、高校2年生の夏休みに行った高校のオーストラリア語学研修で英語がまったく話せず、ホームステイ先の家族と単語を並べただけの会話でその悔しさから英語をやりたいと無意識的に思ったのかもしれません)

Speaking, Listeningを鍛えるためにESSに!
関西外大入学後は英語のSpeaking, Listeningに苦労しました。というのも、帰国子女ではない、かつ英会話スクールに通ったことがないわたしにとって、大学1回生の外国人講師による英語の授業の聞き取りに苦労しました。その分、大学受験の際に培った英単語には自信があったので、そこで苦手部分を補うことができました。部活に関しては、はじめ競技ダンス部とESS部との間でかなり迷い、ギリギリのところでESS部に入部を決めました。外大に入学したからには英語力、特に苦手なSpeaking, Listeningを鍛えたいという思い、かつ競技ダンス部で知り合った仲間が数名いたことから、ESS部に入ることを決心しました。セクションはDiscussion Sectionに所属していました。セクション活動をはじめ、新入生歓迎祭や外大祭で出した屋台は今でも良い思い出です。また少しばかりでしたが、第43代会議メンバー(略称会メン)で渉外も務めさせていただき、部の運営に関われたことは今でも良い経験になっています。

ワシントン州立大学・オーストラリア国立大学大学院に留学
また大学3回生のとき、アメリカのワシントン州立大学に1年間留学しました。この留学では海外大学院進学を見据えて、政治学を中心に講義を受けました。また夏休みや留学派遣終了の帰国前を利用し、日本からなかなか行くことができないニューヨーク、ワシントンDC、フロリダ、バンクーバーへ旅行をすることもできました。今までの人生の旅行の中で、ニューヨークは一番印象に残っています。

外大祭の屋台にて、外大の香港人留学生と


アメリカ・ワシントン州立大学にて、韓国人留学生と

 

関西外大卒業後は海外大学院進学のため、就職はせず、IELTSなどの入学試験の準備・受験や入学申請、ビザ申請などをやりながら、アルバイトをしていました。海外大学院に進学した理由は、当時国際協力に興味を持っていたこと、そして高度な英語を身に付けるためでした。そして、2013年秋からオーストラリア・キャンベラにあるオーストラリア国立大学で国際情勢学(人道関係)を研究・学び、修士を修めることができました。1年強という短い期間でしたが、ほかのオーストラリアの都市と比べて日本人が少なかったこともあり、英語力の向上には良い環境だったと思います。

海外大学院進学前、ベトナム・ホーチミンにて
2021年2月6日のOBOG近況報告をされた同期の森山翔太さんと


オーストラリア国立大学大学院修了、同じ寮生の中国人留学生と

ケイラインロジスティックスで働くことを決めた理由
現在の職場で働くことを決めた理由は、もっと近くで貿易に携わり、資源・原料を持たない日本にとって重要な国際物流という業界で影ながら日本社会・経済に貢献したかったことやケイライン(川崎汽船)の本店がわたしの故郷の神戸でわたしにとって身近な会社であること、海外駐在のチャンスがある会社であること、そして福利厚生が整った会社であることが主な理由です。
現在は国際物流で航空輸出業務に携わっています。航空業界と聞くと、客室乗務員やパイロットを思い浮かべる方が多いと思いますが、航空貨物も航空業界ではかなりのウェイトを占めます。現在の会社は中途入社ですが、入社してからかれこれ3年が経ちました。主な業務内容は貨物を輸送するために航空会社の決定や価格の交渉、航空会社へのブッキング、請求書発行業務です。この仕事のおもしろいところはお客様から依頼される貨物が実に多岐にわたり、様々な貨物の輸送手配をできるところです。お客様の希望納期などを考えて、航空会社を決定し、貨物輸送のブッキングを航空会社に入れますが、貨物は工業機械などの一般品から化学品・放射線などの危険品、さらには遺体・遺灰の輸送も手掛けています。例えば、2012年8月にシリアで銃撃戦に巻き込まれて死亡した山本美香ジャーナリストの遺体や2019年12月にアフガニスタンでテロにあった中村哲医師の遺体を日本まで輸送手配する業界です。これらの輸送は外国から日本でしたが、わたしは日本でお亡くなりになった方(主に外国人)を母国に輸送する手配も業務の一部として行っています。

仕事終わりの成田空港にて

ケイラインロジスティックス株式会社 事務所前にて

会社では「英語力(語学力)+α」➡「業界知識・経験+α英語力(語学力)」
大学在籍時、わたしは周りからの情報で「英語力(語学力)+α」ということを信じていたのですが、社会人として経験を積んできて感じることは、必ずしもそれが正しいとは思いません。確かに新卒採用の方であれば、「英語力(語学力)+α」は間違いではありません。しかし、会社に入ってみれば、日本であれば日本語が業務言語になってきます(現地法人や代理店とコミュニケーションを取るときには英語力(語学力)は必ず必要ですが)。英語力(語学力)が本当に発揮されるときは、海外駐在員になったときだと思います。業界知識・経験を身に付けるために日本で修行を積んで、会社にその知識・経験が認められてから、海外に派遣されるパターンが大半だと思います。そのときにはじめて外大で取り組んだ英語力(語学力)が発揮されるものだと思います。つまり、新卒採用の方については、希望している業界の経験がないことは会社も理解しているので、その方のポテンシャルを見て採用活動をしていると思います。将来的にその業界・会社に貢献できる資格(ESS現役生の方々はもちろん英語力)を持っていれば、プラス評価、さらにプラスでその業界特有の資格を持っていれば、さらに有利だと思います。この意味で「英語力(語学力)+その業界特有の資格」という観点から見れば、「英語力(語学力)+α」は正解だと思います。しかし、会社に入って経験を積めば、業界知識・経験があることは当たり前で、その後で英語力(語学力)が付いてきます。要するに「業界知識・経験+α英語力(語学力)」という感じで、重要度の順番が逆転すると思います。実際、わたしはこの業界に入る前に英語や中国語の資格を取り、この業界に入ってから業界の資格を2つ取りました。英語をあまり使う部署ではなくても、すぐにはやめず、修行期間もしくは業界知識・経験を身に付ける期間だと信じて、頑張ってみてください。英語(語学)を日常的に使う部署に異動する日は必ず来ます。

興味のある業界をしっかり研究すること!
また失敗しないために、会社選びには気を配ってください。会社によって福利厚生が違いますし、会社の規模によって会社の運営方法や社内の雰囲気、仕事の仕方が変わるためです。自分に合った会社に入るために、その会社の公式ホームページや募集要項、社員の声、そしてその会社に対する外部評判まで調べることが理想です。
冗長になってしまいましたが、興味のある業界をしっかり研究することを強くおすすめします。また上記でも言及しましたが、仕事で英語(語学)を日常的に使うことを目的とするために、業界・会社にはこだわらないということは絶対に避けてください。その業界に興味がなければ、やる気が続かず、途中で退職してしまう可能性があるからです。また英語というポテンシャルを一旦忘れ、自分は何が本当にしたいのか業界研究も兼ねて分析してみてください。ESS現役生は新卒採用かと思いますので、面接や採用試験のときは英語力(語学力)をしっかりアピールしてくださいね。
今後の皆様のご活躍を願っております。

またどこかで皆様とお話できる機会があることを願っております。

何か困りごと、ご質問等がございましたら、下記までお気軽にご連絡ください。

Email: wsukgu.gs at sign gmail.com(迷惑メール防止のため、at signを@に変更をお願いします)
Facebook: https://www.facebook.com/takuya.nakatsukasa 中務 拓哉