現役生へのエール 寺田瑞希さん(2016年卒)

~寺田瑞希さん(2016年卒)より~

はじめに

「今日はこの方から現役生へのエールです!」と記事を読まされても「お前だれやねん。」となった方が99パーセントかと思います。インタビューの前に簡単に自己紹介をさせてください。

関西外国語大学外国学部スペイン語学科卒業の寺田瑞希です。 今は東京で声優のはしくれとして活動しております。スペイン語学科でESS?外国語大学出て声優?ツッコミどころは沢山あると思います。

なぜそうなったのか、質問に沿いながら答えていければと思います。

[1]活動で苦労したこと

ESSの活動は自分にとって正直窮屈でした。最初の文章で、ツッコミどころの多い奔放な人生を垣間見た方なら(なるほどなぁ)と思ってくれるかと思います。関西外大の中でも規則が厳重に決められ行事の参加や企画など、楽しいこともあれば、自分が乗り気になれないこともあるかと思います。人の感性は様々ですから。私にはすこし窮屈だったようです。そのなかで、人とのかかわりを持って、自分に興味の無い事でも如何に向き合っていくか。自由型の自分にはとても勉強になりました。楽しくないなら楽しめるように自分が変わればいい。それは置かれた環境だけではなく、人間関係であったり、自分の打ち込む方向性であったり。決められた中で、周りが同じ状態の中でいかに自分が楽しめるか。

これって社会人になっても同じことだと思います。(あ、一応社会人は経験しています)

[2]就活や社会人になってESS活動内容が役立ったと思う事

ないです。・・・ごめんなさい、言い方が悪いですね。部活に入ってこんな事が役に立ったと言ってもそれは私の経験談で、現役生に向けて書くものではないなと思いました。なので、当時私が意識していた事を書きます。ESSの活動含め大学生活の間、「これって就活で話せるかも」ってことを考えて行動していました。ゲスいですね。でも間違えてほしくないのは、役職や活動をやりましたー!という皮の部分ではなくて、それにしっかり向き合ったうえで、自分はどう考えて何を思って、仲間は何をしていてどう関わったのか、そういった実の部分をしっかり心に留めて行動すると言う事です。そういう意味での「これって就活で話せるかも」です。皮の部分を見て副部長になった自分はそれを学びました。ゲスい心から入っても良いと思います。

[3]就職してよかった事、受け入れがたいと思ったこと

就職すると毎月一定額のお給料が入ってきます。やったー!私が新卒で入ったところは電子レンジ業界の技術事務。世界シェアが1位か2位かそんな感じでした。東大阪の下町の倉庫みたいなところで日々研究開発がおこなわれ、中国へ部品やメニューブックを発注します。なので向こうとのやり取りは共通言語の英語です。

さっきも言いましたが、就職すると毎月決まった額のお給料が入ります。就職してよかったところですね。実家暮らしだったので濡れ手に粟で貯金が貯まる貯まる。それと同時に思ってしまうんですよね。

「あれ?自分ってこの金額に見合った仕事できてる?」って。

もちろん右も左も分からない新卒で、しかも営業成績が出るわけでもない事務方。恐ろしい先輩に手とり足とりやさしーく教わって仕事をしていると、毎月振り込まれる給料が本当に自分に見合ったものなのか、疑問に思えてくるんです。多すぎね?と。受け入れがたいですよね~。それをどうやって金額に見合った働きに昇華できるようになるか。新卒入社の第一関門ってそこなのかなぁと自分は思いました。あと、会社の集まり強制参加の飲み会は受け入れがたかったです。今はないかな?

[4]現在取り組んでいること、将来への夢

私は今、声優をやっています。役者という仕事はいろんな経験をしてそれを表現としてお客様に伝える仕事です。

まだまだ人様に胸を張れるような売れっ子ではありませんが、仕事を戴く度に「私を選んでくれたんだ」という嬉しさがあります。勿論現場でも気合が入ります。これから就職活動をされる現役生の皆さまも、就職することでその嬉しさをかみしめていただければと思います。そして気合を入れて、間違いなく選ばれたのだと言う自信を持って社会人になってください。私のこれからの夢は、いただく仕事を一つ一つ丁寧に取り組み、信頼していただくこと。そしてどこまで行っても正解のない演技の世界にずっといることです。自分のことを選んでくれる場所を、皆さんも見つけてください。

ESS現役生へのメッセージ

初めて演技のノウハウを教えてくださった方に言われたことで、いくつか心にとどめ続けている物があります。

そのうちの一つが、私は無意識のうちに大学生の時にも行ってきた事でした。

それは「アンテナを高くもて」。

私がスペイン語学科を選び、ESSに入った理由は情報が欲しかったからです。世界で喋られている言語が多い2ヶ国語を学べば自分の知らない事を沢山知ることができます。日本語に翻訳されていないことなんて五万とありますから。

こんな人がいて、こんな制度があって、こんな事件や、考え方、文学や文化がある。

自分が知らないと言う事すら認識していない事柄が世の中には沢山あります。「○○について私しらないんだよね~」

それは私に言わせれば「知っている」に入ります。ネット環境が整っている時代、ネットリテラシーさえあれば簡単に知らない事を知ることができます。これから大切なのは「存在を知らないこと自体にどうやって気付くか」ではないでしょうか?それは、なんとなく手に取った時の本の情報であったり、人とのコミュニケーションでふと放たれる言葉であったり。はたまた突然頭の隅に下りてきた疑問であったり。そういったものを敏感に感じ取れるアンテナを高く張ることが、この先社会人として生きていくのにとても大切なことだと思います。今まで振り向きもしなかったことにも、ちょっと興味をもってその世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか?足先、ちょっと浸かるだけでもいいともいます。もしかしたらそれが、自分の人生を大きく変える情報に繋がるかもしれません。

ついでに宣伝です。まだ先の7月ごろなのですが朗読劇に出演予定です。朗読劇すきだよーって方、どれどれ、寺田瑞希とやらをひと目見てやじりに行ってやろうかと言う方、EFELを運営されている諸先輩方に連絡先を聞いてください。詳細分かり次第ご報告します。以上宣伝でした。

大学生活頑張って!